理事長所信

2020年度 一般社団法人中条青年会議所
理事長 加茂 一成

所信

~はじめに~

president-kamo一般社団法人中条青年会議所は、1980 年に創立され、昨年40周年を迎えることができました。これには、時代の変化に合わせつつも、一貫して地域の発展に寄与し、今日まで脈々と受け継いでいった、高い志をもつ諸先輩方のおかげだと考えます。この功績への感謝を忘れず、次世代の子どもたちのためにも、この地域の未来を共創していかなければなりません。

入会当初私は、青年会議所という組織も理解せず、活動内容も分からない状態であり、ましてや地域のことなど考えてもいませんでした。そんな中、子どもたちとの事業を通して地域と関わる姿を見たり、意見をぶつけ合いながらも、互いに仲間を助け、事業を成し遂げる姿を見たりするうちに、先輩方の熱い思いが、私を「青年会議所に積極的に参加しよう」という気持ちに変化させてくれました。幸いにも、私自身、様々な役職を経験させていただき、その際に、メンバーは、時間も惜しまず、たくさんの協力をしてくれました。また、私は人前で話すことに抵抗があり、自分の考えていることや思いを伝えることが苦手でしたが、形式ばった話し方や理屈を並べるのではなく、最終的には、「地域のために自分たちができることをやろう」という思いを、必死に伝える先輩の姿を見て、自分もそんな先輩のようになりたいと思うようになりました。

私は、歴代の理事長のような立派なことはできないかもしれません。しかし、小さい頃から育ったまち、そこで育つ子どもたち、一緒に運動する仲間を大切にする思いは、誰にも負けない自信があります。初めからうまくいくとは、思っていません。仲間を信じて一丸となり、失敗してもその過程を大切にし、邁進して参ります。

これまで、諸先輩方が築き上げてきた歴史に感謝し、次の世代にしっかりと繋ぐため、これからも仲間とともに共創して参ります。

~まちづくり~

この胎内市においても人口減少・高齢化による影響が顕著に表れています。現在、行政でも安定した生活基盤を築き、安全で安心して生み育てることができるまち「自然が活きる、人が輝く、交流のまち”
胎内” 」をスローガンに、「未来への投資」という視点を大切にした中で、「子育て」と「教育」に力を入れています。しかし、高校を卒業後、都会での生活に憧れを抱き、故郷である「胎内市」での生活をイメージしないまま、市外に就職・進学する若者が増えています。人生の岐路に立たされたとき、その選択肢として、この胎内市での生活を思い描いてもらうことこそが、人口減少・高齢化の影響を食い止める「糸口」であると考えます。

そんな若者たちに、数多くある故郷の魅力を再確認してもらうこと、自分の育った環境がいかに子育てしやすい環境であったか感じてもらうこと、子どもの頃に作った思い出が楽しかったと思い出してもらうことが、故郷「胎内市」での生活を考えていくことに繋がると思います。実際、今を生きる子どもたちにとっても、学区外の同世代との関わりが、いつもとは違った刺激を感じさせ、よりよい協調性を生んでいます。そのためにまずは、子どもたちが安全に外で遊べる環境の整備、地域の方が住みやすいまちづくりを目指し、安住「胎内市」を地域とともに作り上げていくことが重要だと考えます。

~人間力~

人間力を高めるためには、「経験」を積み重ねることが必要であると考えます。また、その経験を生かすためには、「何のために」「誰のために」やるのかが最も重要です。どうすれば、他の者とうまくやっていけるのか、協力できるのか、コミュニケーション能力が問われます。昔と比べ、今の子どもたちには、兄弟や同級生の友達が減少し、下校後の遊ぶ機会も減っているように思われます。そのため、一人で遊ぶ子が多く、友達と一緒に、外で遊ぶ時間も少ないように感じます。室内だけで遊ぶには、空間や遊びの種類、遊ぶ友達にも限りがあります。そこから、学校では学べない、新たな「経験」や「協調性」は、生まれてくるでしょうか。また、外での遊びに関しては、設備の老朽化や不審者などの危険性などを考えると結果的に、子どもたちの遊び場を奪ってしまうことになっていると考えます。その環境を子どもたちや地域の大人たちと一緒に整備することにより、普段できない経験や達成感を感じてもらい人間力向上につなげる事ができるはずです。

青少年育成事業では、自然に触れ、仲間と共に協力し挑戦する事業をみんなで共創してまいります。

~総務~

総務は組織とメンバーを支え、中心になると考えます。また、日々の活動内容を広く発信し、周りの人に理解と周知を促していきたいと思います。セレモニーや総会・各種会議・交流事業など、慣例で行われていることについても検証し、見直しを図り、よりよい変化を加えることも必要です。そのため、これまで多くの先輩方や地域の方が行政と積み重ねてきた功績を振り返り、同年代や若い世代のメンバーの歩みの足がかりとしていきたいと考えます。

~会員交流~

今後、会員の拡大がなければ、向こう3年間で人数は減少し、その結果、事業の規模縮小や活動に制限がかかってくると考えられます。青年会議所の会員として、活動する期間は、20歳から40歳までと限られています。その限られた時間の中で、多くの学びや試練を得て、様々な人との繋がりをもつことにより、個人や企業の成長へと繋がります。会員同士、同じ時間を共有し、ぶつかり合いながら、困難を乗り越えて成長できると考えます。ここでの経験を次世代へ繋ぎ、地域の発展のためにも、賛同してくれる仲間を増やしていくことが急務だと思います。これから数年で、多くのベテランメンバーが卒業するにあたり、経験の浅いメンバーへのフォローも忘れず、率先して各諸団体や候補者と交流を図り、青年会議所での活動内容を理解してもらい、賛同してくれる多くの新入会員獲得に向け、共に挑戦していきます。

~結びに~

まずは、中条青年会議所の理事長という重大な職を与えてくださったことを、メンバーに感謝申し上げます。

多くの経験、知識をもっている全メンバーが一緒に活動してくれるからこそ、理事長という職を引き受ける覚悟ができました。青年会議所活動を続けることができるのは、皆さんを支えてくれる家族・会社があってこそです。今年一年、感謝の気持ちを忘れず、失敗を恐れず、メンバーと共に挑戦し、みんなで一緒に創りあげていきましょう。